第百二十三章

Y市で、彼女のこの服薬の習慣を知っているのは、春を除けば、すでに霊安室に横たわっているあの男だけだ。

だが、その遺体は彼女自身が白布をめくり、確かに確認したものだった。

あの顔、眉骨にある古い傷跡、さらには右手の親指の付け根にある薄いタコまで、すべてが和也と瓜二つだった。

ただ一つだけ、今思い返してみると、ふと違和感を覚える点がある。

あの『遺体』の温度は、常軌を逸して冷たかった。

死亡時刻から推測するに、まるで低温で保存されていたかのような、あそこまでの強張りと冷たさを示すはずがない。

皮膚や筋肉の状態も整いすぎており、まるで事前に誰かの手が加えられていたかのようだった。

葵...

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